今年、三度にわたる南北首脳会談や南北共同連絡事務所の開設などを通して、韓半島非核化平和プロセスが構築されつつあるとの展望が示される中、キリスト教福音宣教会(CGM)の設立者・鄭明析総裁のベトナム戦争への参戦経験を書き留めた回顧録『戦争は残忍だった―愛と平和だ』が出版され、書店街で関心を集めつつある。
当新刊は、ベトナム戦争参戦の回顧録となっており、計4巻から構成されている。本の著者である鄭明析総裁は、1966年に入隊し、白馬部隊の末端戦闘兵として派越(※越=ベトナム)されてから1969年初頭までの間の二度の参戦経験を本に書き留めた。本の序文によると、著者は45年余り前の記憶を思い起こしながら、1999年から8年かけて執筆し、10年もの間、校正に校正を重ねてついに本を完成させたという。
特に著者は、個人の心境を描くというよりは、時代の現実の一面を映し出し、人間の本質と限界に注目した。当時派越された韓国の青年たちの苦悩と忠誠に思いを馳せるのはもちろん、人間の歪んだ欲望と慣例の病弊を鋭く指摘し、至る所に落とされた死の影のもとで人間の生死を主管する存在について考える機会を提供している点が、戦争文学の新たな地平を切り開いたように思えると評されている。
4巻で構成された当新刊の核心は、「戦地でも真の平和のために神様の愛を実践した話」であるということだ。一つには、本の題名のように、戦争は残忍であったが、その中で愛と平和を実践することができるのだということであり、またもう一つは、戦争は残忍であったが、これからは愛と平和を追求していこうということだ。つまり著者は、本作を通して過去の歴史の中のベトナム戦争を振り返ると同時に、地球村の人々が今進み行くべき方向を提示したのである。
当新刊に関して、鄭明析総裁は「戦争の残忍な姿をあらわすために書いた本ではなく、本が好きな多くの人たちに読んでもらおうという目的で小説のように書いたわけでもない」と述べ、また、「戦争と人生に重点を置き、私が避けることのできない死から生きて出てきた奇跡と、隠密に行われる神の摂理に重点を置いて書いた」と説明した。
他方で鄭明析総裁は、1995年に月刊文芸思潮を通して初めて紙面に登場した詩人として、ベストセラー詩集『霊感の詩』1~5集を発表し、韓国詩文学100年史を総網羅した『韓国詩大辞典(2011)』には10篇の詩が掲載された。10代の頃から21年間、山で祈りの生活をし、50年余りの間聖書の研究をしながら、説教集と箴言集を著述した。また、現在では国内外の美術展招待作家および国際文化芸術平和協会の総裁として、世界の平和のための芸術、スポーツなど、活発な文化交流活動を支援している。
記事原文 : http://edu.donga.com/?p=article&ps=view&at_no=20181206163857163972